黒と白
- ikufumi
- 2018年12月24日
- 読了時間: 3分
更新日:2018年12月25日

Nikonは総じて好きではないのだが、亡くなった祖父が使っていたNikon一式を生前に譲り受けたので、「Nikon F4」とマニュアルのNikkorが数本ある。
大学時代は「Canon New F-1」とハッセルを使っていたので、大学備品のNikonは使わず自分の機材を使っていた。(コンバーションレンズが無い特注アダプタで、全周魚眼Fish Eye Nikkor 8mmなどNew F-1に装着していたが....。 )
Nikonが好きでは無い理由の一つは、「Nikonのイタリック(斜め書体)ロゴ」。 マイクロソフトさえイタリック書体のロゴを変更したのに対し、今だにNikonはイタリックのロゴである。Nikon F4は質実剛健で良いカメラだったが、Nikonのロゴマークがイタリックで興醒めだ。
もう一つは使い勝手。25年前の当時のことになるが、仕事の為に機材システムを一新するにあたってNikonとCanonを比べた。

当時は「Nikon F4」と「EOS-1」が競り合っていたが、Canon EOSシステムに比べるとNikonのAFはかなり遅かった。マニュアルフォーカスの「Nikon F3」はフラッシュの取り付けが特殊で(ペンタ部にシューがない。F3/Pは装備)、「New FM2」もファインダーの露出メーター表示がなく、ポジ撮影をしていた私にはどちらも使い勝手が悪かった。
一方「Canon New F-1」のファインダーは見やすく、露出もメーター表示であった。レンズも35mm、50mm、85mm、200mm、300mm F2.8が使いたかったので、機材はCanon FDシステムに決定し、仕事用にはEOS-RTを2台購入した。

前置きが長くなったが、写真のデジタル化が当たり前になって10年が過ぎた。
逆算すると現在二十代の方々は「フィルム撮影を経験していない」方が当たり前ともいえる。
関東圏ではインスタントカメラの「チェキ」「写ルンです」「CONTAX T2」が人気と聞く。今年も何度か渋谷、代官山、表参道など廻ってみたが、デジタル・アナログ問わず男性より若い女性の方がカメラを持っていた。また『 チェキ → 写ルンです → CONTAX T2 → フィルム一眼レフ』の様なステップアップも多いと聞く。フィルムを知らない方には現像、プリントは未知の体験の様だ。
フィルム一眼レフは電池を使わない機械式シャッターカメラが人気の様で、露出計だけ電池を使うNikon「New FM2」は総じて人気の様で高額で売買されている。ただ先述の様に「New FM2」はファインダーの露出メーター表示が「+○−」なので、私的にはNikonのカメラでは「FE2」がおすすめである。「New FM2」の後継機で最後機の「FM3A」も大変良いが、高価であることと「Nikonのロゴマークがナロー書体」が残念な箇所である。

「FE2」は電源にLR44、もしくはSR44を2個使う電磁シャッターカメラだが、44系の電池は安価でどこでも売っている。ファインダーには針式の露出メーターがあり、露出のオーバー/アンダーの加減量が一目瞭然である。シャッター速度も1/4000秒もあり、屋外のF1.4、2.8開放撮影でも問題ないだろう。
色も白(銀)と黒があり、白の方が人気の様だ。私も白(銀)のカメラが好きで、その最たるものがハッセル500系なのだが、かつて愛用した「Canon New F-1」は黒しかなく、残念であった。(Nikon F3/T にはチタンカラーの「白」がある)
レンズもNikkor 50mmF1.4が定番で玉数も多いが、画像の50mm F1.8もパンケーキ型レンズで組み合わせると実にコンパクトで収まりが良い。
価格も「New FM2」より安価で取引され、動作が補償されているならばフィルムカメラとしてはおすすめのNikonである。
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